かつ丼!それは粋な紳士の食べ物でした(昔)

幼い頃のご馳走の一つはかつ丼でした。家族で食堂へ行くとメニューといえば、うどん、どんぶりくらいしか無かった(えらい昔でんな)その中でも一番豪華で花形札で書き記したかつ丼!子供ながら親の顔色をうかがわないと食べられなかったんです(笑)

ここでかつ丼にまつわる変遷をお伝えしたいと思います。(私見です)

かつ丼とは、味噌かつ丼もあればソースかつ丼もありますし、豚肉に限りません。ここでは私が見てきた出汁の利いた玉子に絡まった皆様がよく知るかつ丼の事です。

元は玉子どんぶりなんですね。お揚げを入れた衣笠丼がありましたし、玉子と鶏肉で親子どんぶり、玉子と牛肉で他人どんぶりてのもありました。なんでも試してみて王様になったのが、とんかつの上に出汁溶き卵が乗ったかつ丼だと思います。(一番合うやないか!)でしょうな。

しかしこの後、超人気のあまり様々なこだわりを持った粋な紳士達に翻弄されるわけです(笑)

ここから変遷への本題

どんぶりとは、どんぶり茶碗の事ですね。現代では見かけないですが冷めない様にと蓋つきの大きなどんぶり茶碗陶器でした。それを思い思いに喰らいつくわけですね。どんぶりは食べっぷり!です。

しかしある人が(どなたか存じません)その食べっぷりに行儀が悪いと思ったんでしょうな。手前に出されたかつ丼の蓋を開けると茶碗の横にひっくり返して置き、そしてなんとお箸でとんかつと玉子を一気にすくい上げ先程の蓋をお皿代わりに置いたんです。

そしてご飯とおかずと分けて食べはったんです。もうこれはどんぶりじゃなくて定食です。それを見た周りの人はびっくりしますわな。そして皆も目立ちたいんですわ「恰好ええな」「粋やんか」って言うんでその食べ方が流行りました。

お店の人はこう思います(聞いたわけではありません)「どんぶりを定食にして食べるんやったら、最初から定食で出したらぎょうさんお金をとれるがな!」...商人ですな。

鉄鍋にとんかつを置いて出汁と溶き卵を入れて蓋をし、下からロウで炙るという、かつとじ定食が出来たんです。大流行りでした。今も何処かのファミリーレストランに定番メニューとしてあると思います。

これまでどんぶりで食べてたとんかつが、定食や御膳といった形でかしこまった食べもんに代わるとまた次にこういう人が出ます(実際に聞いたわけでありません)「結局さ、ご飯の上に乗せた方が旨いやんけ!」「ほんま、ええかっこしいやな」...

そして昨今、皆さん方が普段食しているカツとじどんぶりが出来たんです。

そう、かつ丼じゃなくてカツとじどんぶりなんです(どっちでもええわ!)落ちです。



季節料理・仕出 季さら月

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